2010年03月12日

深夜の鱈ちり

うちは夜更かしだけど、晩ご飯はたいてい7時のニュースを見ながら食べる。今日はめずらしく仕事がつまって12時までかかってしまった。深夜の晩ご飯は昨日から用意してあった鱈ちり。お腹が空き切っていたのでことのほかおいしかった。
鍋は冬に入るころによくするが、年が明けるとだんだん飽きてくる。最近は鍋も汁もあまりしていなかった。
今日の鍋は本タラの片身のアタマのほう、骨と目玉以外は残さずにしゃぶった。うまかった〜 魚の他は豆腐と白ネギとキノコであっさりとポン酢。お酒は泡盛の湯割り。最後はご飯に塩昆布と柴漬けとたくわんと焙じ茶。
2時過ぎたけどまだお腹が空いてない。けど眠くなってきた。

2010年03月11日

SUBで 荘司幸恵QUARTETの真面目な演奏

読書に熱中の夜が続いて目が疲れてしかたない。今夜は寒いけど猛烈に降っていた雨があがったし、目を休めて耳を働かそうとSUBへ荘司幸恵QUARTET+2(荘司幸恵(P) 鈴木一郎(G) 財 盛紘(B) 中野 圭人(D) +西山満(cell) +MAYA(Vo))を聴きに行った。このQUARTETを前回聴いたのは10月だから5カ月ぶりだ。
SUBではいつも真面目な演奏を聴けるのがうれしい。ギターの鈴木さんをはじめみんな真面目なところがよい。

楽器だけのジャズは抽象的な音としてわたしには聞こえる。それを聴く快感がたまらないからまた聴きに行く。そこへボーカルが入ると演奏が具体的になってしまう。おおいに楽しむんだけど、違う楽しみ方になる。
今夜のボーカルは若い女性歌手MAYAさんだった。顔が小さくて背が高いから見栄えがする。もっと場数を踏んで上手になってね。

今夜も西山さんのMC&雑談、第二次大戦後にパリへ行ったベース奏者(名前を忘れてしまった、今度聞いてメモしてこよう)の話とか、昔、SUBで歌っていた歌手がニューヨークへ行って有名な占い師になっている話とか楽しかった。ミュージシャンのみなさんともお客さんたちともいろいろ話ができて楽しい夜だった。

2010年03月10日

ローリー・R・キング「シャーロック・ホームズの愛弟子 疑惑のマハーラージャ」はあと少しで読了

10日ほど前に買った本をようやく読み出した。いつものように入り込むまでは、他のことをしたりしても平気だけど、入り込むと猪突猛進読書(笑)。
全部読んで感想を書くまでの中間報告です。書きつつ早く次へ進みたくてたまらない。「シャーロック・ホームズの愛弟子」シリーズはすべてが手に汗握る物語である。プラス恋愛小説。

1924年、シャーロック・ホームズと24歳になったメアリは、ホームズの兄マイクロフトの依頼でインドへ行く。メアリは男装し二人は手品使いとなり村々を情報を探して歩くが、途中で立ち寄ったイギリス将校のところで、最近のニュースは知っているかと聞かれて、レーニンが死んだのは知っていると答えている。そういう時代にシャーロック・ホームズとメアリ・ラッセルは生きていた。

「大英帝国植民地時代のインド」の地図がついている。北インドの(仮想の)カーンプル藩王国が舞台である。チベットにもアフガニスタンにも近いところだ。ロシアの鉄道まで200マイルとある。
タイトルになっているのがカーンプル藩王国のマハーラージャ。
(山田久美子訳 集英社文庫 952円+税)

2010年03月09日

夜の梅

梅が咲いたというニュースがテレビで流れるこのごろ。梅見には行かないけれど、羊羹の「夜の梅」を目と口で味わう。とらやの羊羹は高価だけどうまい。ほんの少しだけ買ってきて煎茶を煎れ贅沢な気分を味わう。

なぜ夜の梅に執着するかというと、昔、わが家に戦前の「主婦の友」(多分そうだと思う)があった。それをわけがわからない子どものころに読んでいたのだが、菊池寛、久米正雄、吉屋信子あたりの連載小説にあった部分を覚えている。苦学してようやく職を得た青年に、世話になった人へ挨拶に行くように先輩が言う。「先生は夜の梅がお好きだから持って行け」。それで覚えた夜の梅だが、なんのこっちゃやらだった。

のちになって、夏目漱石「草枕」、谷崎潤一郎「陰翳礼賛」に羊羹を愛でるシーンが出てくるのを知り、ますますうれしくなった。羊羹の味にいろんな想いがプラスされて、よけいにおいしい。
もう一度、春らしい夜に味わいたい。

2010年03月07日

エドワード・D・ホック「夜の冒険」(現代短編の名手たち 8)

木村仁良さんの解説によると、エドワード・D・ホックは2008年1月17日に亡くなられたが、950篇以上の短編小説を発表されている。ミステリ業界において短編小説の執筆だけで生計を立てていたのはホックだけだそうだ。木村さんが書いておられるように、まさに〈現代短編の名手〉だと思う。
本書には1957年発表の「フレミング警部最後の事件」から79年発表の「ガラガラヘビの男」まで発表年度順に20篇が収録されているが、すべておもしろい。

わたしは10数年前までホックの熱心な読者ではなかった。私立探偵ものを追いかけるのに必死だったから、父と弟からまわってきたのを読むだけでとりたててファンということはなかった。その後、木村さんに教えていただいて「怪盗ニックの事件簿」「サム・ホーソーンの事件簿」「サイモン・アークの事件簿」の愛読者となった。父も弟もいまはいないけど、こんなにたくさんのシリーズを読ませてやりたかった。ただ弟の娘がなぜかホックファンで、本書を買ったのも彼女のほうが早かった。

本書「夜の冒険」を買うのが遅れたが、読み出したら一気で、次から次へとフルスピードで読み上げていった。全部読んでから味わって二度目を読んでいる。
都会的でおしゃれでとぼけたところがある、というのがわたしのホックについての感じだ。なんでこんなにストーリーを思いつけるのかしら。そして登場人物たちが必然的に自然にその場にいる。

「どこでも見かける男」「私が知らない女」の2篇は、人の良い男が妻にころっと騙されている話だ。妻という立場の普通の女性の怖さがさらっと書かれていてコワイ。
空き巣泥棒にはまっていく若い女性の気持ちを穏やかに書いている「二度目のチャンス」は、自然に不気味。
「やめられないこと」では、一人の男が妻を殺した男を捜している。ボルネオでゴム園を経営していた夫妻は日本軍がパールハーバーを攻撃してから、捕虜になり男女別別の収容所に入れられた。妻は最後にセレベス海の捕虜収容所に送られた。そこの所長が日本人将校ケン・スーだった。ケン・スーは敗戦時に自分の悪行の目撃者を殺して逃げ切った。男は妻の仇のケン・スーを探しまわってついに発見した。皮肉な最後がつらい。

どの作品をとっても〈都会的でおしゃれでとぼけたところがある〉裏側に不気味さがちらつく。
(木村二郎他訳 ハヤカワ文庫 1000円+税)

2010年03月06日

幸せになるシーンが好き 「小公女」と「ジェイン・エア」

いくつになっても何度読んでも幸せになるシーンが好き。なかでも「小公女」と「ジェイン・エア」が好き。

「小公女」では、主人公のセーラは父の死と破産のため、豪華な寄宿生生活から屋根裏の女中部屋に追い込まれ、雑用と子どもクラスの教師としてこき使われている。
同情した元の同級生たちと密かにパーティをはじめたとき、密告を聞いて上がってきたミンチン先生がぶちこわす。お腹が減ったまま冷たいベッドに横たわったセーラが、暖炉のぱちぱちいう音で目が覚めると、部屋は暖かく汚いテーブルには布がかけられご馳走がいっぱいのっている。ここが好き。

「ジェイン・エア」では、ロチェスターさんとの結婚話が複雑な問題が持ちあ上がって壊れ、ジェインは一人で出て行く。危うく餓死+凍死するところを3人の家族(兄シン・ジンと妹ダイアナとメリー)に助けられる。彼らの尽力で仕事をするようになり信頼されるようになる。ある日シン・ジンが彼女がジェイン・エア(エリオットと名乗っていたので)と知ると伯父の遺産が手に入ると言う。実は彼らはジェインのいとこだったのだ。お金よりもいとこが3人もいたことがわかって喜ぶジェイン。そしてお金は四等分する。
よそへ家庭教師に行っているダイアナとメリーが仕事を辞めて帰る日に合わせて、ジェインは女中と二人で家を掃除して家具を加える。彼女らが戻ってきて喜ぶ。ここが好き。

貧しさが極まった人たちに思わぬ援助や遺産が舞い降りる。現実にないから憧れる。読んでいるだけで幸せになれる魔術のような本がここにある。
(「小公女」 吉田勝江訳 岩波少年文庫 / 「ジェイン・エア」 吉田健一訳 集英社文庫)

2010年03月05日

「風信子忌」(ヒアシンスき)

1カ月ほど前に東京のSさんが送ってくれた荷物の中に、ヒヤシンスの球根が3つ植えられた植木鉢が入っていた。茶色い直径3センチほどの球根から緑の芽が出ている。昼間はベランダに置き、夜は室内に入れておくうちにするっと伸びてつぼみがつき、真っ白な可憐な花が咲き出した。3本の茎が順番に咲いていったので長く楽しむことができた。とてもよい香りで、閉め切った部屋にあったときは濃厚さにおどろいた。

同じころにミクシィのコミュニティで「立原道造」コミュがあるのを発見して入り、いままでの書き込みを読んでいたら、毎年、3月に「風信子忌」(ヒアシンスき)があるという書き込みを見つけた。ひとつの詩の数行を暗記しているくらいの愛読者とは次元が違うファンがたくさんいらっしゃるんだとわかった。

わが家で花を咲かせたヒアシンスと「風信子忌」を知ったのが重なって幸せな気分になっている。「風信子忌」は毎年、3月の最終土曜日に東大弥生門前にある立原道造記念館で開催されているとのこと。27日は密かに詩集を開いて立原道造を偲ぶことにしよう。

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