先日の新聞にこれからの図書館についての識者の意見が載っていた。「図書館は無料貸本屋であってはならない」のだそうだが、いまのわたしには無料貸本屋で充分ありがたい。もともと図書館に行きだしてから5年くらいなのである。ずっと読みたい本は自分で買う主義だった。
最近は本を買うお金に制限があり、本を置く場所に制限があり、そして肝腎なこと、図書館が住まいのすぐ近くにあるので図書館に行く。しかもパソコンで検索して予約できるので、以前から読みたかった本を借りられてうれしい。ずっと読みたかったエドモンド・ホワイトの「美しい部屋は空っぽ」を予約して借りたところである。
また、返還されたばかりの本を置いたワゴンにけっこう読みたい本がある。吉屋信子の「あの道この道」もそこににあった。1930年代に「少女倶楽部」に連載された小説で映画化もされている。名前だけ知っていた作品に出会えて幸せであった。内容は「花物語」「暁の聖歌」「屋根裏の二処女」よりもドラマチックだけどお説教くささが強い。でも、軍国主義にのめり込んでいく時代に合わせて書いているけれど、本質は“乙女の心”なのである。