クッキング・ママシリーズの11作目。いつも同じ場所で同じ登場人物だし、同じような殺人事件なのに、飽きずに読ませるのだからたいしたものだ。
突然、ゴルディの住む土地の近くに大金持ちが邸宅を建てまくり、超高級車を買いまくり、そのお陰で物価が倍になるという状態になった。そしてそのお陰でケータリングを頼んでおしゃれなパーティを開く家が増え、ゴルディのケータリング業は“至福の境地”の大繁盛で、これだけ稼げば息子をロースクールにだってやれると大喜びである。ゴルディは夫のトムを愛しているが、経済的にトムの世話になりたくないと思っているので、しっかり稼ごうとフル回転している。
その反面、息子のアーチは金持ちの息子たちとのつき合いで、高価なものを欲しがるわ、反抗するわ、背中にタトゥを入れるわ、親子の間は波風が立ちっぱなしである。
ショッピング・モールの支配人バリーはゴルディの大学時代の友人で、いっしょにコーヒーを飲みに行っていた間柄であった。その縁でショッピング・モールのパーティにケータリングを頼まれるが、その日にバリーが殺される。殺人容疑で逮捕されたのはゴルディの助手のジュリアンだった。そんなアホなことはあれへんと、ゴルディはアーチの誕生日までにジュリアンを取り戻そうと必死の捜査をはじめる。
いやもう、よくキレないなと思うくらいに、料理をつくるわ、人の話を聞きまくるわ、バリーの家に忍び込むわと大活躍である。そしてなんやかや言いながらコーヒーを飲む。チョコレートを食べる。
トムがいようといまいと事件に突っ込んでいくゴルディは変わらない。ただ、闘い終わって日が暮れて、家に戻るとトムがいてご飯をつくってくれる。暖かいふとんにくるまってできあがりを待つ喜び。よかったね、ゴルディ。