世界探偵小説全集の1冊を図書館で見つけたんだけど、表紙(わら人形なんだけど首つり死体が3体ぶら下がっている)がちょっとかなわん。でも本の題名に気を惹かれ、中をちょっと読んだら探偵ロジャー・シェリンガム、やあ久しぶりということで借りて帰った。
大きな屋敷に住む探偵作家ストラットンの、趣向をこらした〈殺人者と犠牲者〉パーティにシェリンガムは招かれる。屋上に3体のわら人形で作った死体が風に揺れているという凝ったもの。客はそれぞれ有名な殺人者と犠牲者に扮して集まっている。浴槽の花嫁殺し、父親殺し、愛人殺し、保険金殺人等イギリスで有名な殺人事件の殺人者。それからロンドン塔の王子(「時の娘」で話題の)、切り裂きジャック、ブランヴィリエ侯爵夫人(澁澤龍彦の本で読んだなぁ、悪女中の悪女)等の残虐な事件の主人公たちである。わたしも犯罪実話が大好きなんで、こういうのって楽しい。
ストラットンの弟の妻イーナはちょっと常軌を逸した女性で、このパーティでいちばん目立ちたがっており、相手をした男性すべてに言い寄って嫌がられている。パーティがお開きになるころイーナがいないのでみんなで探すと、彼女は屋上で首を吊って死んでいた。自殺か他殺か、警察が動き出す。
ロジャー自身が出席者から殺したのではないかと疑われてあわてたり、推理の結果、イーナの夫が殺したと思い込んで、警察の取り調べに対する話を調整したりする。
バークリーの本をたくさん読んだわけではないが、覚えているかぎり殺されたほうがみんなのためになるというような人間が殺される。今回もいやというほど死んだ女性がいやらしく書かれている。