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ナリンダー・ダミ「ベッカムに恋して」

ベッカムの名前が日本中にまん延していたころに上映された映画の原作であるが、これは日本での題名で、ほんとうは「ベッカムのように曲げろ」である。「ベッカムに恋して」ではなんのこっちゃかわからんよね。アホな女の子がサッカーには関係なくベッカムに憧れてるようにとれる。原題「ベッカムのように曲げろ」は、ベッカムの曲がるシュートにあこがれて、練習して実際に打って、アメリカに留学することを獲得した少女の物語である。
ロンドンに住むインド系の高校生ジェスはサッカーが好きで、いつも公園で男の子たちに混じって裸足でサッカーの練習している。ある日、女子サッカーチームのジュールズがジェスを見てチームに誘う。そこで出会ったのがアイルランド系のジョーで、彼はかつてはサッカー選手だったがヒザの故障でやめ、パブでバーテンをしながら女子チームのコーチをしている。彼の指導でめきめき上達するジェスだが、ジョーの存在が気になってしかたがない。ジュールズもジョーが好きらしいので悩む。
ジェスの家はイギリスに住むインド人の典型的な家庭で両親と婚約中の姉がいる。母親が女らしくとうるさく言うが、黙って抜け出したり、だまして出かけたりとジェスはサッカーに打ち込む。友人のトニーがよく助けてくれて、両方の親も2人が婚約することを望んでいるが、彼はゲイであると言う。2人とも親が喜ばない選択をしてわざわざ険しい道を行こうとし、そのお陰で2人は親友になった。
解説によるとイギリスの総人口の4パーセントが南アジア出身者で、その約半数がインド系で、人種差別や偏見と対峙しながら独特の社会を作り上げてきたという。そうした社会状勢を踏まえて書いており、決して甘いだけの作品ではない。
最後はジュールズともどもアメリカからのスカウトの目に止まり留学が決まるし、コーチのジョーとはいい仲になるし、両親ともに理解して送り出してくれる。都合のよいハッピーエンドであるが、そこまでの紆余曲折をすり抜けたり飛び越えたりが、うまく書かれていてとても気持ちが良かった。図書館で借りた。(角川書店 1000円+税)。

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2003年12月17日 23:33に投稿されたエントリーのページです。

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