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池波正太郎「剣客商売」2冊目

1冊目を近所の本屋で買ったのだが、なにも気にせず読んでいた。YOKOさんご夫婦が「剣客商売」のファンなので、YOKOさんの掲示板で1冊目を新しく買って読んだと書いたら、Mah&Botchさんが、それはよかった、いま出ているのは表紙カバーも変わっているし、本文の文字が大きいよと教えてくださった。1冊目を眺めながら、そうなのかと思ったが比較のしようがない。先日2冊目を買ってわかった。カバーが派手になっているし字も大きい。うちの近所の本屋のは売れ残りだったんだ。3冊目以降は気をつけなくっちゃ。このシリーズは食後のお茶のときに読むことに決めた。先が長いからうれしい。
いくさのない時代が百何十年も続いている世の中に生きて、剣で身を立てようとすることは容易ではない、という前提で、「剣客」を商売にするという認識が秋山小兵衛にはある。息子の大治郎が剣で生きたいと決めてからは、道場を持たすところまではやり、後は本人にまかしたわけだが、なにかにつけ気になる親の情が細かく描かれている。
わたしはここに収められている7つの作品のうち「悪い虫」がいちばん好き。道で乱暴者をやっつけた大治郎を見込んで、うなぎの辻売りをしている又六が頼みにくる。細かいお金までみんな合わせて五両を差し出し、10日で剣術を教えてほしいと言う。小兵衛がちょっと手を貸し、大治郎が10日で又六を仕込むのである。その甲斐あって又六は辻売りに出た日に、いやがらせにきた乱暴者の腹違いの兄の暴力をものともせぬようになった。又六が汗水流して稼いだ五両をもらうのは…とこだわる大治郎に小兵衛は「あいつはこれから五両はおろか、十両も五十両も稼げる男になったのだ。あれだけのちからをつけてやって、五両なら安い」と言うのである。(新潮文庫 476円+税)

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2004年02月04日 21:40に投稿されたエントリーのページです。

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