「剣客商売」は文庫本1冊に数編の短編小説が収めてあるのだが、それぞれの作品に小兵衛は小柄な老人だと説明がある。ふだんは柔和な表情だが、なにかあると一変して鋭くなる。「馬鹿者」と大音声で叱りつけるときはほんまに怖い。言われた相手はひぇーっとびびってしまう。以前は道場を持っていたが、いまは隠居して40歳も若いおはるといっしょに、楽しく暮らしている。“剣客”を商売だと言ってるくらいだから、お礼金などはあっさりともらう。その代わりに手伝ってくれた人にはケチケチしない。気持ちよく「これをとっておいておくれ」と紙にくるんだお金を渡すのである。人が訪ねてくるとすぐに「酒を」と言っておはるに用意させるし、仕事で連絡にきた人には「飯を食っていけ」と言ってあるものを出す。気持ちよく暮らすお手本としてもこの本は読める。
話を強引にひきつけるみたいだけど、わたしも小柄な老人(自分で言ってるぶんにはいいのよっ!)で、ふだんはとても穏和である。しょっちゅう人の打ち明け話の相手になっている。でも小柄なのと貧乏のせいだと思うが、人から見下ろされることがある。で、ごく稀にだけど「馬鹿者」とはよう怒鳴らんけど、バクハツすることがある。そういうときって頭脳明晰になるからすごいです(自分で言ってりゃ世話はない)。
なんの話だっけ、そうそう秋山小兵衛をお手本にして、生きにくい世の中だけど、楽しくやっていこうと思っているのね。