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岡崎京子「ヘルタースケルター」

岡崎京子のマンガを久しぶりに読んだ。ほとんど10年ぶりである。そのころ出ていたものはけっこう持っていたのだが、あるとき、もういいかな、と話し合って古本屋に出してしまった。かなり惜しい。
それからすぐの1996年に、岡崎さんは飲酒運転の車にはねられ、長い療養生活を送られることになった。わたしが事故のことを最初に知ったのは、パソコン通信の掲示板だった。
その後、いまの時代の女性を鋭く描いていると言われる作品を読んでも、なんだ、岡崎京子がもっと以前にもっと深く描いているじゃないか、まだ岡崎京子を超える作家はいないんだといつも思うのだった。
「ヘルタースケルター」は連載が終わったのが事故に遭ったときだったという。それを去年単行本化したものである。ヒロインりりこはモデルをやり、テレビコマーシャルに出て、映画出演して、インタビューに応じてと、あらゆる媒体に完璧な肉体を露出して生きている。その肉体は整形によってつくられたものである。日本中を制覇しているかのようなりりこが、落ちていくさま、りりこの孤独が描かれるのだが、りりこの孤独なんて言葉にしてしまったら薄っぺらになる、おそろしい孤独と残酷がマンガというかたちで紙の上に現されている。ものすごく怖い絵にたじろぎ、いっぺんに読めなくて、毎日一章ずつ読みすすんだ。
この本を読み終えて昨日、新聞を広げたら高島屋の新しい化粧品「SUQQU」の広告があった。美しさを誇示したモデルの姿と、横にあるコピー「7年前の顔。」にはっとした。りりこだ。(祥伝社 1200円+税)

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2004年03月02日 20:16に投稿されたエントリーのページです。

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