イアン・ランキンの短編集「貧者の晩餐会」の帯に「リーバス警部が走り、ストーンズが叫ぶ」とあったので、どういうことかと思ったら「貧者の晩餐会」と」いうタイトルはストーンズの「 Beggars Banquet 」からなんですね。わたしはあまりストーンズにくわしくないので、相棒に教えてもらった。「これやったらうちにあるで」とCDを出してくれ、「LPレコードはジャケットは白地に筆記体(パレススクリプト)の文字が書いてあるだけやったんや。CDを出すときは、時代も変わって最初の写真を使おうということになったんやな」と言う。なるほど、CDの表側は便所の壁のリアルな写真のジャケットで、裏側には昔と同じ白地に文字のものが使われている。
それからにわか勉強で「 Beggars Banquet 」を何度も繰り返して聴いた。もともと、どれということなく聴いているから馴染みのアルバムである。でもイアン・ランキンが作品集のタイトルに使い、そこにローリング・ストーンズに捧げる作品「グリマー」が納められているのだから、リーバスファンとしてはおろそかにしたらいけない。
「グリマー」には「 Beggars Banquet 」を出すときの状況が語られている。ローリング・ストーンズにとってもミック・ジャガーにとってもたいへんなときだったらしい。ブライアンはA・A・ミルンがかつて住んでいた家に引っ越したばかり。その家でブライアンは死んだ。そしてその1969年にオルタモントでコンサートが行われて、ヘルス・エンジェルスが暴走した。イアン・ランキンの熱い息づかいが聴こえる。