橋本治の本は最近は読んでいないが、とても好きな時期があった。「窯変源氏物語」は全部読んで感心したし、「花物語」(絵・さべあのま)は大切にしまってある。ずっと昔には「桃尻娘」「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」「秘本世界生玉子」などを愛読したものだ。ほんとにあたまの良い人だと思う。語り口に引きこまれるのが気持ちよかった。
「上司は思いつきでものを言う」の新聞広告を見ていて、おうおう治ちゃん(失礼)なにやってねんなー、とか思ったままだったが、昨日の「朝日新聞」書評ページ「ベストセラー快読」で紹介されていたのを読んでやっぱり買おうと思った。相変わらずのもってまわった書き方らしいが、それがベストセラーになってるなんてすごーい! あわてて買いに行き、昨日・今日でざっと読んでしまった。おもしろかったしためになった。橋本治はいつも真面目な人なのだ。もう一回ゆっくりと読むつもり。タイトルに惹かれて買ったサラリーマンの人も最初は戸惑うだろうけど、読んで勉強になったと思う。
わたしは会社勤めはしたことはあるが、零細企業ばかりで、本当の会社というものは知らない。社長や専務はいたけど、そういう名前のついている人というだけで、“上司”という言葉も意味も知らなかったくらいだ。人に言うときだって“えらいさん”くらいの呼び方ですませていた。ええかげんなやつやった(笑)。その後は自営業で、サラリーマンの下にいる。この本によると、【サラリーマンの下には「零細なお出入り業者」もいるのです。】というわけだ。
話は変わるけど、掲示板をやりだしてから、書き込みされる人によって、上からものを言われたように感じて、妙な反発心がわき上がることがよくあった。この本を読んでわかったのだが、ははん、これが“上司”的態度なんですね。まったく「上司は思いつきでものを言う」のだ。
買って読んでほしいけど、立ち読みするなら「あとがきのあとがき」で笑えます。わたしが引用した部分もそこにあります。(集英社新書 660円+税)