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エドマンド・クリスピン「大聖堂は大騒ぎ」

エドマンド・クリスピンは、子どものころ「消えた玩具屋」(1946)を読んで、おもしろかったという記憶が残っているだけの作家だったが、数年前に「愛は血を流して横たわる」(1948)を読んでから大好きになった。なかでも「白鳥の歌」(1947)がいちばん好きである。どの作品も女性がとても魅力的に書いてあるところがいい。
10年くらい前のある日、突然思い立って「世界探偵小説全集」を買い始めたのだが、クリスピンを知っただけでこの思いつきは成功だった。お金を払った甲斐があったというものだ。この全集を買うのは途中でやめてしまったが、まだ未読の在庫があるし、好きと思った作家のは買い足している。
いま読み終わった「大聖堂は大騒ぎ」は今年の5月に発行されたもので、オクスフォード大学在学中に書いた処女作「金蠅」(1944)に続く第2作である。ちょっと一人でおもしろがっているようなところがあり、傑作とは言いがたいけれど、どこか憎めない楽しい作品である。
作曲家のジェフリーは独身で、家政婦と猫数匹とのんきに暮らしていたが、彼らを留守番にしてジャーヴァス・フェンの待つ田舎に発つ。途中で捕虫網を買ってこいというフェンのために百貨店に立ち寄るが、暴漢に襲われ店員のフィールディングに助けられる。2人はいっしょに田舎に行くことになり、車中で襲われたりしながらもフェンのいるところまでたどりつく。
そこは大聖堂のある村で、ジェフリーはバトラー牧師の娘フランシスに一目惚れしてしまう。このフランシスは後々のクリスピンの作品に出てくる、才気煥発な女性たちの先駆けみたいな女性で、ジェフリーはさんざん振り回される。黒魔術や魔女などが出てくるけど、ユーモアがありおどろおどろしていなくて読みやすい。
バトラー牧師が四ツ葉のクローバーを摘み取って胸につけるという一節があり、最近わたしも四ツ葉のクローバーを4枚も手に入れたものだからうれしくなった。(国書刊行会 2400円+税)

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2004年07月15日 23:33に投稿されたエントリーのページです。

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