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ファージョン作・ヴォーグ絵「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」

岩波少年文庫の「リンゴ畑のマーティン・ピピン」や「ムギと王様」で知られたエリナー・ファージョンの文章が、シャーロット・ヴォーグの絵で何倍にも生かされている大型の絵本。表紙は主人公エルシーと妖精の紳士淑女がなわとびをしている。本を開くと扉はなわとびをしながら山道に入っていくエルシーの後ろ姿である。両方とも淡いグリーンでとっても幻想的、これからはじまる物語はどんなかと期待で胸いっぱいになる。
ケーバーン山のふもとにあるグラインド村の貧しい家にエルシー・ピドックは生まれ、パンとバターの他になにもない晩ご飯を食べて育った。3歳のとき母親になわとびをしたいと言うと、まだ早いと言われる。エルシーは夜中にお父さんのズボン吊りでなわとびをする。見つけた父親は「生まれながらのなわとび上手だ」と言って、翌朝なわに木の柄をつけてやる。どんどんどんどん上手になって、6歳になったころは、その州のどの村にも知れわたり、7歳になったころはケーバーン山に住む妖精もエルシーの名前を知っていた。妖精の中でもなわとびの名人アンディが、エルシーのうわさを聞いて連れてくるように言う。そして弟子にして教えたので、ついには月を飛び越えるほどになった。
ということで、なわとびの快楽が楽しい文章になり、それに淡い色彩の絵が加わってとても美しい。しかし、物語はここにきて時間が経って100年後、三人目の領主の時代になっている。領主はケーバーン山に工場を建てる計画である。村人たちは最後になわとび大会をしたいと申し出る。その日、ケーバーン山に集まっ人たちはなわとびをはじめる。そこへ109歳になったエルシーが現れて・・・。
わたしはシャーロット・ヴォーグの絵本が大好きで結構持っている。「ネコのジンジャー」「イソップ物語」その他洋書絵本の、どの本にもネコが出てきてそれがとても可愛い。この本の絵を描くことになってケーバーン山を訪ねた彼女は「すばらしい場所だった。(中略)ここでは、魔法が生きている」と語っている(本書あとがき)。ほんと、この本を拡げると、ケーバーン山の神秘となわとびの悦びが伝わってくる。

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2004年11月26日 17:59に投稿されたエントリーのページです。

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