アメリカでブルースが誕生して100年目になる2003年に、マーティン・スコセッシが製作総指揮し「THE BLUES Movie Project」として7作品が、それぞれの監督によってつくられた。他の6作品は映画館で上映されたが、クリント・イーストウッド監督の「ピアノ・ブルース」だけはテレビのみということである。運良くビデオで見ることができた。
イーストウッドとレイ・チャールズがピアノの前に並んで座っているところからはじまる。イーストウッドは白のポロシャツにチノパンでスニーカー、何度も洗濯した服と履き古した靴を身につけた姿がすがすがしい。二人のブルースへの気持ちを語るところからはじまって、話題に出たミュージシャンが画面に出る。古い貴重なフィルムが現れる。
インタビューの相手、そしてイーストウッドのスタジオで演奏したのは、レイ・チャールズ、デイブ・ブルーベック、ドクター・ジョー・モートン、マーシャ・ポール、パイントップ・パーキンス、ジェイ・マクシャー、ピート・ジョリー。
フィルムで紹介されたミュージシャンは、デューク・エリントン、ビッグ・ジョー・ターナー、ジェイ・マクシャン、チャールス・ブラウン、アート・テイタム、オスカー・ピーターソン、ナット・キング・コール、ファッツ・ドミノ、オーティス・スパン、フェイマス・ニュートン・ジュニア、カウント・ベイシー、セロニアス・モンク、パイントップ・パーキンス、アンドレ・プレヴィン。
ブルースをはじめて聴いたときのこと、だれに最初の手ほどきをしてもらったか、ブルースとジャズのこと、誰の演奏が良いかなど、それぞれと愛をこめて語り合う。イーストウッドの眼差しの優しさ、はにかむような口もと。ほんとうにブルースを愛しているからこその柔らかい表情に感動した。
もちろん、ブルース! なんでこんなにこころも体も熱くなるのだろう。