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ピリスの授業

昨日のNHK教育テレビでやった「スーパーレッスン・巨匠に学ぶピアノ」という番組、講師はマリア・ジョアン・ピリスと番組表にあった。これはたいへん、絶対見るぞとご飯もそこそこに終えて、最初から最後までの1時間半をじっと見ていた。
わたしがクラシックを聴いていたのは、はたち過ぎの数年間だが、いわゆる音楽会というものに足しげく通った。外来音楽家の演奏会につぎこんだお金はたいしたものだった。
それからはジャズに好みが変わっていったが、40代のときに相方がクラシックを聴きだしてCDがいつも鳴っている状態だったので、今度は普通の生活をしているときに耳からクラシックが入ってきた。わたしのように行き当たりばったりではなく、ちゃんと本や雑誌で知識を得てCDを買っていた。それでわたしも残っていた知識をアタマから引っ張りだしたりした。
ピリスはそのころ素敵な人だなぁと感心したピアニストである。すごく繊細で透明で論理的なピアノの音に魅せられてよく聴いていた。
これは余談だが、そのころの終わりの時期に秋月こおの「富士見二丁目交響楽団」に出会ったんだよね。指揮者とバイオリニストを目指す男どうしの恋物語なんだけど、音楽についての二人の突っ込みかたが素晴らしくて何度も読んだものだ。
ええっと、昨日の授業風景はもうもう感心したの一言であった。若い日本人男性が教えを受けたのだが、まずピアノを弾かせてみる。こうして巨匠の教えを受けるのだがら、すでに一人前なんだろうけど、ピリスがちょっと弾いてみせるのと音が違うのよね。そしてピリスは何度も言う、「ファンタジーがない」と。「なんでピアノを弾くのか、なにを表現したいのか」と厳しく言う。その言葉に圧倒されてしまう若者ににっこりとしながら、ピアノのテクニック以上の「間」とか「止まる」ことを教えた。笑顔が素敵で淡い色のシンプルなブラウスとスカートの姿が美しかった。

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2004年11月04日 21:56に投稿されたエントリーのページです。

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