「白衣の女」を読み終わって、ビクトリア時代続きで読もうと思ったのだが当てが外れた。これは現代ものだった。そもそもミステリファンの姪が送ってくれなければ読むことはなかった本である。なんで読んだのか忘れたが、コーンウェルが大金を投じて(本書の「訳者あとがき」によると7億円にのぼるという)「切り裂きジャック」に挑むという記事があって、なんでそんなことをするのだろうと思ったものだ。この本を読み終わったあともその思いがある。ロンドンの闇夜に電気をこうこうとつけて照らし出したような感じ。わたしが「切り裂きジャック」に興味があるのは、ビクトリア時代後期の暗いロンドンの街と犯罪の物語だからである。
とは言え、さまざまな分野の専門家をイギリスに送って、DNA鑑定、紙の鑑定、コンピュータによる画像処理など、現代最先端の技術を駆使して調査した結果、画家のウォルター・シッカートを犯人と指名するにいたる。その決断には感心した。すごく詳しく「切り裂きジャック」と画家ウォルター・シッカートについて書いてある本です。