1996年から98年までのあいだ、阪神大震災の被災者が住む仮設住宅へ「お話伺いボランティア」として月に1回は神戸へ通っていた。それも三宮から地下鉄に乗って30分かかる終点の西神とその一つ二つ前の駅までである。駅で集合して歩いて行くときもあり、バスや用意された車で行くときもあった。また、明石駅で集合し車で長時間かかって、山境のようなところまで行ったこともあった。
たいてい帰りは星が輝いていた。あれだけの星を眺めたのは久しぶりで、あれからは一度もない。春先はイカナゴを炊く匂いが鼻をかすめていたし、夏は夕立に降られたり、冬は小雪が舞ったりした。お年寄りといっしょに演歌のビデオを何時間も見ていたこともあった。非日常的な雰囲気の中で日常を暮らしておられる被災者の生活に、なんとも言えない気持ちになった。
最初のころは大阪から神戸までの電車の窓から眺める風景が恐ろしかった。ブルーのシートだらけだし、マンションの2階がどすんと落ちて1階のガレージにある車がぺしゃんこになっているところもあった。
16日の日曜日の昼、OさんとJRに乗り並んで座りながら、きれいになった外の景色を眺めて、あのころの様子を思い出していた。