一仕事片付いたので夜出かけるつもりだったが、天気予報で今夜は寒くなると言ったのでやめにして家でゆっくりすることになった。年寄りっぽいな。昨日のおでんに具を足して食べて、だいぶ前に録ってあったビデオ「まぼろし」を見た。
才気あふれるフランソワ・オゾンの脚本監督作品。シャーロット・ランプリングが海で亡くなった夫のまぼろしを追う女性マリーを、圧倒的な美しさと演技で魅せる。彼女ほどの女優を使いこなすオゾン監督の腕のすごさに感心。フランスのインテリ階層の生活やインテリアやファッションも羨ましく見た。マリーは大学の教師をしていて、教室でヴァージニア・ウルフの「波」を朗読している。そして新しく紹介されてインテリ男に、ウルフが夫に宛てた最後の手紙を暗唱してみせる。「波」と川へ入り自殺したウルフと、海でいなくなった夫が重なりあう。(またヴァージニア・ウルフに出会ってしまった。)
また、マリーと夫の母との会話のすさまじさに、たじたじとなった自分を笑ってしまった。日本の嫁姑ならもっと表面は同情し合うふりをして、陰にこもった会話になるところだ。
シャーロット・ランプリングの映画は1969年の「地獄に堕ちた勇者ども」から見ているが、年齢を重ねた美しさがひかり輝いていてうれしいかぎり。「さらば愛しき人よ」「美しさと哀しみと」をまた見たくなった。