先日ちらりとエドマンド・ホワイトの新刊「パリ 遊歩者のまなざし」の新聞広告を見たので、アマゾンで調べたらまだ入ってなかった。なんだーと思って眺めていたら98年に出た「パリでいっしょに」があり、いままで見つからなかった本なのですぐに注文した。それをいま読み終えたところである。
何度も書いているけれど、エドマンド・ホワイトのことをなんにも知らないときに、NHKテレビ(イギリスBBC制作のもの)でパリを歩く彼を見たのだった。そのときのときめきを当時会員のSさんに話すと、それはエドマンド・ホワイトに違いないと言う。あわてて図書館で数冊の本を借りて読み、Sさんが貸してくれた「燃える図書館」を読んだ。そしていまや大作「ジュネ伝」を読むところまできた。
本書は「ジュネ伝」を書いているときのパリ暮らしも出てくるが、そしてパリに住む人たちのさまざまな生き方が書かれている本であるが、底に流れているのはエイズによって早世した恋人ユベール・ソランへの思いである。建築家からイラストレーターへと仕事を替えたユベール・ソランは、死を覚悟してホワイトといっしょに本を創ることを提案した。そしてイラストを描くことで病苦を乗り越え、ホワイトとの愛を昇華させた。「はじめに」は、ユベールが息を引き取ってから2時間後に、ユベールが使っていたアートペンを使って、マラケシュで書いたものである。これほど愛と芸術について格調高く書いた文章を、わたしは他に読んだことがない。
1990年にホワイトはアメリカにもどりニューヨークで暮らしているそうである。
「パリ 遊歩者のまなざし」も数日後に買うことができた。わたしが最初にテレビで見たホワイトがパリの歩道を歩くシーンが、文章になっているのだと思う。早く読もう。(白水社 1700円+税)