『ジャーロ』傑作短編アンソロジーの(1)は、2003年に発行された「探偵家業はやめられない」(サラ・パレツキーの「フォト・フィニッシュ」が入っている)だった。本書はその(2)で2004年12月発行されたもの。うっかり買い忘れていて読むのが遅くなってしまった。
タイトルを見たらわかるとおり猫が活躍する短編集である。9作品のうち3作品が山本やよいさんの訳であることもうれしい。その中でも「青い瞳」はジャネット・ドーソン作で、主人公は長編「追憶のファイル」などでおなじみの女性探偵ジェリ・ハワードである。ジェリはヴィクについで好きな探偵だが、最近翻訳がとまっているのでどうなっているのかと思っていた。木村仁良さんの解説によると9作まで発表されているらしいが、翻訳は4冊しかない。なんとか出してほしいなぁ。
「青い瞳」の内容は、癌で亡くなった女性が姪に多額の財産を残すという遺言書からはじまる。それには愛猫が死ぬまで世話をするという条件がついていた。ところがかんじんの姪の名前が書いてなくて、現実に姪は二人いるという。その書類ミスが故意に行われたと思ったジェリは、聞き込み調査を続けて、本当の姪に遺産は渡されることになる。短編なのでちょっと物足りないが久しぶりにジェリに会えてよかった。
9つの短編にそれぞれ個性的な猫が出てきて、主人公になったり、探偵をして飼い主にヒントを与えたり、殺されそうになったとき悪いやつに飛びかかったりと活躍する。猫好きならたまらないだろう1冊。表紙がちょっと子どもっぽいが、内容は大人向きばかりです。(光文社文庫 590円+税)