ゴールデンウィークといっても格別なにもすることがないし、どこへ行くということもない。えらく早く来たポランの宅配の人が、今日は配達すところが少ないと言っていた。どこかへ行っている人が多いんだなぁ。
今日は連休で唯一の予定であるshuの野外ライブがあるので天王寺のHOOPへ行った。5時と6時と聞いていたのが、時間変更があって5時からのしか聞けなかったが、奏詩音(かなでしおん=shuの歌と中島教秀さんのベースのDuo)の音が聴けてよかった。
相方がパソコン雑誌を買うと言うので、何十年ぶりでユーゴー書店にいった。岩波書店とみすず書房の本が背中合わせになっている本棚を見つけてほろっとなった。みすずの本は昔シロナンカイ(白地の表紙の難解な本)と言っていたっけ。わたしはけっこう持っているのだが、同じ本が絶版にならずに並んでいる。全体が雑然としていて懐かしい。こういうタイプの本屋って昔はよくあった。いまはジュンク堂とか整然としたところばかり行っている。同じ本でもジュンク堂で見るのとここで見るのは違うような。
その後はごく自然に昔(はるか昔の1970年代)ジャズ喫茶マントヒヒがあった旭町通りへ向かった。阿倍野銀座あたりはかろうじて昔の面影があるが、少し行くと再開発計画とやらで高層建築がたくさん建ち明るく開けている。新しい道路も通っている。このへんかと立ち止まったりしていると、花をたくさん持った初老の女性に声をかけられた。市大病院から取ってきたと言う。「取ってるのを見ててもモンク言いはれへん、これをうちへ持って帰って植えるんや」とのことで、同じことを繰り返す。相づちを打つのをやめたらサヨナラと言って先へ行った。
見知らぬ街になったマントヒヒあたりを少し行くと、懐かしくも見慣れた風景の西成区になり、山王町商店街になった。お菓子屋さんの前で「ここで焼き餅買ったね」とか言いながら歩いた。空き家になっているところが多い。南海電車の今池駅も階段をあがるのは昔のとおり。階段下でホルモン焼きを売っている屋台も昔のとおり。駅を過ぎてふと見ると西成警察署の立派なビルが聳えている。暗い表情の街釜ヶ崎を歩いて動物園前に向かった。昔だって明るかったとは言えないけれど、陽気なところがあったように思う。いまはひたすら暗い。
通天閣の通りへ出て昔なじみの更科で出汁巻き卵と蕎麦を食べて帰った。あの街を自分の街のように思っていた時代もあったのだけれど、いまや、わたしらはこざっぱりしてしまい“お客さん”なのであった。