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クルト・ヴァランダー警部

ヘニング・マンケル「白い雌ライオン」について、プロローグと本編の内容の紹介を書いたけど、魅力ある主人公クルト・ヴァランダー警部についてを書き忘れていた。
スウェーデンの南部スコーネ地方の小さな町イースタの警察に勤務するクルト・ヴァランダー警部は妻のモナに去られ、娘のリンダとの間もうまくいってない。画家の父親はクルトが警官になることに賛成しなかったせいもあり、ずっとぎくしゃくした関係が続いている。3作目ではかなり状況がよくなる、というのは、リンダが事件に巻き込まれ、その経過から父親がクルトの気持ちをわかるようになるから。
1作目「殺人者の顔」では、新しく赴任してきた女性検事に思いをよせてふられている。2作目「リガの犬たち」では、ラトヴィアから捜査にやってきた警官リエパ中佐が帰国してすぐに殺される。いっしょに捜査した事件のためにラトヴィアまで出張して、亡きリエパの妻バイバに会うと一目惚れ状態なり、帰国してからも事件とともにパイパが忘れられず、おせっかいにも国境を越え密入国してバイバとともに闘うことになる。3作目「白い雌ライオン」では、なにかにつけパイパを思い出し、手紙を書いたり電話をしたり泣いたりする。
いちばんの趣味はオペラで、特にマリア・カラスが好きで車の中でも家でも聴いている。若いときはオペラ歌手を目指す友人のマネージャーをしようと思ったくらいである。二人の夢は実らなかったが。
まだ若い警官のとき、町をパトロールしていて酔っぱらいの男に肉切り包丁で刺されて切りつけられた。あと数ミリの差で死ぬところを助かったのだが、23歳にして警官になるということの意味を悟った。そのときに自分で考えた箴言〈死ぬのも生きることのうち〉を常々思い出している。ちょっと変わった警察官クルト・ヴァランダー警部であるが、関わった事件は死を賭して追いかける。
解説を読んだら、ヘニング・マンケルの三番目の妻はスウェーデン映画の巨匠イングマル・ベルイマンの娘で劇場の専属演出家だそうだ。なんとなく納得。

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2005年06月27日 18:11に投稿されたエントリーのページです。

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