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豊田菜穂子「ロシアに学ぶ週末術—ダーチャのある暮らし」

昔からちょっとオシャレな暮らしの本が好きだった。中原淳一がつくった少女雑誌に影響を受けたのが最初だった。着るもの、暮らし方、食べ物、そして音楽や絵画や物語の紹介によってわたしの感性はつくられ、いまも抜けだせないでいる。本は捨てたのに染み付いた感覚は捨てられない。「暮らしの手帖」みたいな実用雑誌はだめで、実用でない暮らしの本が好きだ。
最近の20年くらいはこれが自分だと居直っている。だから気に入った本は大切にしてもう捨てようと思わない。堀井和子の「気ままな朝食の本」など4冊、二部治身の「美しい暮らし十二か月」、鶴田静の「ベジタリアンライフノート」。この3人とハーブの広田せい子も入れようか。彼女らの本の特徴は、“ちょっとおしゃれな暮らし”であり、読む者にとって、“できそうでできない、近そうで遠い”ことである。
ところが最近こういう本の流れが変わってきたように思う。“しようと思えばできる、遠いけど行けないことはない”というように感じる。松井ゆみ子「アイルランドのおいしい生活」は現地で暮らした経験を食べ物を中心に書いているが、ちょっとお金と時間があれば行ける旅行案内でもある。“おしゃれな暮らし”が“山のかなた”ではなくなっているのだ。
前置きが長くなったが、本書も“遠いけど行けないことはない”という感じで読んだ(わたしは行く気はないけれど)。そして最後まできたら「ダーチャツアーの問い合わせ先」までちゃんとある。最近堀江のカフェ「チャルカ」で東欧ツアーを旅行社と組んで募集したのと似ているかな。
さて、ダーチャとはなにか。「月曜から金曜まで町でお仕事。土日はダーチャでリラックス」と説明されているが、ロシアでしか手に入らないスローライフのことであるらしい。そしてさまざまなタイプのダーチャの説明がある。わたしはダーチャという言葉をはじめて知ったので興味深く読んだ。東京の知り合い夫婦が八ヶ岳山麓に自分で小屋を建てて、土日を過ごしているけどそんなものかなとも思うが、日本ではかなりのお金持ちしかできないだろう。ダーチャは高級から素朴までいろいろありそうだ。そして「ダーチャの心 十か条」を読むとおおらかなロシアの大地と人間のことがわかってくる。ロシア人は生活を楽しむことを知っているということが随所に出てくる。最後にお定まりの料理があるが、おいしい野菜さえ手に入れば、簡単でおいしい料理がすぐにできそうだ。クレープ、スープ、サラダ、つくってみよう。写真の多い小型で可愛い本です。(WAVE出版 1500円+税)

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2005年06月16日 18:23に投稿されたエントリーのページです。

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