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ヘニング・マンケル「リガの犬たち」

ヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダーシリーズ2作目。読みたくてしかたないのだけれど、字が細かいので字の大きい本を間に入れて目を休め、満を持して読み始めた(うー、オーバーね)。
スウェーデン南部の海岸にゴムボートがひとつ流れ着いた。中には高級なスーツを着た男の死体が2体横たわっていた。イースタ警察の警部クルト・ヴァランダーが男たちの身元を調べはじめると、彼らはラトヴィア人だという連絡が入った。そして調査のためにラトヴィアのリガからリエパ中佐がやってくる。一見地味な人間に見えたリエパ中佐だが、仕事のできる鋭い人間だとわかり、いっしょに仕事しているうちに友情が芽生える。家に呼んでウィスキーを飲みながらオペラのレコードを聴くところがよい。
仕事が終わってリガに帰ってすぐリエパ中佐が殺される。そして協力を求めるテレックスがきて、クルト・ヴァランダーは出かけることになる。
そこからが迷路、いまから10数年前の東欧の混沌とした社会状態の中で、自由を求めて生きる人たちと抑圧する権力が描かれる。一度は終わった調査を納得できず、今度は休暇をとって密入国し、リエパの妻バイバと残されたはずの書類を見つけようとするが、その間に協力者が無惨に殺される。
バイバ・リエパの言葉「いつだって考えなければならないわ。もし忘れたら、わたしたちは人間であることを忘れるのと同じです」に胸をうたれた。
「あとがき」に訳者の柳沢由美子さんが、スウェーデンの日刊紙のインタビューでヘニング・マンケルが語ったことを紹介しているが、最後のところ「いまは娯楽として、軽い読み物として、純文学とは一線を画して読まれている推理小説が、時代を描写するもっとも適切な文学のジャンルとして認められる日がくるという予言である。」というのには、まったく共感する。(創元推理文庫 1020円+税)

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2005年06月11日 20:39に投稿されたエントリーのページです。

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