最近70年代の本や資料を調べている同居人が、今日は本棚の奥からアルトナン・アルトーの本を探し出した。「VAN GOGH」と「アンドレ・ブルトンへの手紙」の2冊。ゴッホのほうが読みやすそうなので開いてみたら、扉の、「ヴァン・ゴッホ アルトナン・アルトー 粟津則雄訳」の文字の下に、見たことのあるデッサンがあった。横向きの裸体の女性が腕に顔を埋めている。右下に「Sorrow」の文字。たしかこの絵を持ってるはずだと、古いファイルを探したら出てきた。A5の大きさの印刷物。裏になにもないから雑誌の切り抜きではない。たしか額入りでもらったんだった。文学青年のあいつが壁に掛けていたものだ。「Sorrow」という絵を知っているかと聞かれて、生意気盛りのわたしは、その絵のことは花田清輝が書いてたよ、なんてこっちも知識のあるところを見せたのだが、絵そのものは見たことがなかった。そしたら最後に会ったときにくれたのだった。
本の「Sorrow」は背景が入っているが、こちらは女性のみで線がきっぱりしている。ゴッホと言われなければわからない絵である。あまりにも哀しそうで長く見ているとつらくなる。またファイルの中にしまっておこう。
いま中之島の国立国際美術館でゴッホ展をやっている。混んでいるだろうし行くつもりはなかったが、がぜん興味がわいてきた。アルトーは数人の作家や思想家と並んでゴッホの名前を挙げている。その中にはネルヴァルも入っている。ゴッホの絵を見てこよう。