マイクル・コリンズが8月19日に81歳で亡くなられたことを、ミクシィのサイバーガムシューさんの書き込みで知った。わたしはまだ買っていないのだが、いま発売中の「ミステリマガジン」に追悼記事があるようだ。
暑い夜に押し入れのミステリ箱から彼の本を探し出してあちこち読み、物思いにふけってしまった。
わたしがマイクル・コリンズを知ったのは1979年に再版された「恐怖の掟」(1967)を読んでからだ。それまで10年ほどミステリーから遠ざかっていたので、猛スピードで追いつこうとしていたころだ。すごく気に入って、それからは「真鍮の虹」「ひきがえるの夜」「黒い風に向って歩け」「虎の影」「無言の叫び」「ブルー・シティ」まで7冊をハヤカワポケットミステリで読み、「フリーク」と「鮮血色の夢」の2冊を創元推理文庫で読んだ。その他、マーク・サドラー名義のポール・ショーものを3作、ジョン・クロウ名義のブエナ・コスタものを2冊読んでいる。いちばん好きなのは「黒い風に向って歩け」かな。VFC会報「VI」にコリンズについて書いたときの名残で、あちこちに付箋がついて赤線が引いてある。
追悼読書はポケミスは読みにくいので、文庫の「フリーク」(木村仁良訳)を選んだ。私立探偵ダン・フォーチューンは、会社経営者から行方不明の息子夫婦を捜して連れ戻してほしと依頼される。危険に身をさらして解決するが、依頼主の意のままの解決ではない。身を賭してつかんだ証拠は金のために渡したりしない。
ダン・フォーチューンは片腕の探偵である。なにかあるともう一方の腕をなくす恐怖心におそわれる。その外観で人から下に見られることが多いが、わかる人には彼のインテリジェンスがわかって、恋人は最初は女優のマーティー、つぎもモデル兼女優のケイなのである。
このシリーズはまだあるのだけれど、売れ行きが悪かったので「鮮血色の夢」で刊行が止まってしまった。なんでこんなに素晴らしいミステリーが売れないのか不思議だ。