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グレッグ・ルッカ「耽溺者」

耽溺者(ジャンキー) グレッグ ルッカ最近は教えてもらってはじめての作家の本を読むことが多い。本書も山田さんが教えてくださらなければ出合わなかった。彼が教えてくれた2人目の作家(一人目はヘニング・マンケル)である。
女性私立探偵ブリジット・ローガンが、親友のために捨て身で麻薬密売組織にいどむ物語である。訳者あとがきと北上次郎さんの解説ではじめて知ったのだが、本書はボディーガード、アティカス・コディアックを主人公とするシリーズの番外編で、本編は「守護者」「奪回者」「暗殺者」があって、4冊目にあたる。「守護者」で初登場したブリジットはすごくかっこ良かったらしい。これから3冊追いかけなくっちゃ。
ブリジットは15歳でマリファナを吸いはじめ、16歳では廃墟と化したアパートでヤクを仕入れる金の算段をしていた。3カ月後、警察官の父親に連れ戻され施設に入れられる。18歳のとき整形手術を受けて腕の注射跡を覆い隠したが、父親はアルバイトをしてその費用を捻出したのだ。
そういう過去があって、いま、ブリジットがニューヨークの独り住まいのアパートで、朝5時に目を覚ましたところに電話のベルが鳴る。親友のライザからで「あいつに見つかっちまった」、ブリジットは「そっちに行くよ」と言って出かける。
ライザとは17歳で入所した更生施設で知り合った姉妹以上の仲である。ライザはそのとき15歳で妊娠しており子どもを産むために麻薬を断とうとしていた。
いま、ライザは息子のゲイブを育てながら救急救命士になるため勉強中である。そこへ現れたのが麻薬密売人のラークで昔の貸金を返せと暴力をふるったのだ。「あいつを殺したい」というライザに、ブリジットは自分にまかせておけと言って、実際にこらしめるところまでやる。しかし、その後ラークは本当に殺されて、ライザが容疑者として逮捕される。
アティカスに弁護士を紹介してもらうが、ライザには不利なことばかりである。ライザがなにか隠していると感じたブリジットは真犯人を探そうと決心して麻薬組織に潜入する。まっすぐ片がつくと思って読むと意外や、ジャンキーの魂が呼び覚まされたりして、はらはらさせらる。
ものすごくスタイリッシュな作品で、話者がアティカスに変わるところ以外はブリジットの語りで進むのだが、自然に読める訳(古沢嘉通さん)で気持ちよく読み進められた。ブリジットは男性が描いた理想の女性と言ったらいいかな。女性が読んでもかっこよく気持ちよい存在である。(講談社文庫 952円+税)

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2005年10月30日 01:08に投稿されたエントリーのページです。

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