« 中国茶でほっこり | メイン | タイガー記念日 »

マイクル・コリンズの短編小説「となりのデイヴ」

「ミステりマガジン」11月号は「ルパン生誕100周年及びフランスミステリ特集」だが、3人の作家(マイクル・コリンズ、エドワード・バンカー、A・J・クネル)の追悼号でもある。最近名前の知っている作家の訃報が続いている。
マイクル・コリンズの創作した私立探偵ダン・フォーチューンもの第1作「恐怖の掟」を読んでから、ずっと翻訳を追いかけて読んできた。売れないという理由で最後の数作が翻訳発行されていないのが残念でたまらない。だからここに翻訳掲載されている短編「となりのデイヴ」(「エラリー・クイーン・ミステリマガジン」2004年7月号に掲載されたもの)は貴重だ。フォーチューンがニューヨークからサンタバーバラに移ってからの生活が垣間見える。
フォーチューンは6月の夜明けに徹夜の詐欺事件調査仕事を終えて、公園の反対側に停めてある愛車に向かうところだった。その男(デイヴ)は公園のトイアンの木に首から吊るされていた。遺体を木からおろして、状況を調べ警察に連絡する。警察の調査で自殺の可能性が高いと結論がでる。
フォーチューンは伴侶のケイと暮らしている家の裏手に事務所をかまえている。そこへデイヴの知り合いの女性が尋ねてきて、自殺では絶対ない、調べてほしいと言う。デイヴは軽度の知的障害者だった。調べて行くと仕事が丁寧過ぎて雇い主の方針と合わなくなったり、住まいの問題もあり生活が追いつめられていったことがわかる。
私立探偵ダン・フォーチューンは最後まで社会派の探偵らしく、社会の底辺で生きる人間に温かい目をそそいでいる。諦めの気持ちを持たざるを得ない現状の中で、できるだけの努力を払ってやっていこうという気持ちが伝わってくる。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dp31082594.lolipop.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/533

About

2005年10月19日 15:43に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「中国茶でほっこり」です。

次の投稿は「タイガー記念日」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。