本屋で文庫本をぶらぶら見ていたら、「現代フランスを代表する新感覚のミステリー」と帯に書いてあったのが気になって買った。本が薄いのと字が大きいのが気に入ったこともある。
舞台はフランソワーズ・サガンを思い出させ、登場人物はパトリシア・ハイスミスの「リプリー」を思い出させる。海辺の別荘でバカンスを過ごすブルジョワの一家のところに、見知らぬ若い男性ボリスがやってくる。テラスで肌を焼いていた姉妹に、近寄ってきた男はこの家の息子の友人だと言う。弟は留守だが、白でかためた服装に魅せられた姉妹は彼を迎え入れる。父親も母親も彼の言葉を疑わず受け入れるが、姉娘の夫アンドレ・ピエールだけがうさんくさいものを感じる。猟銃のコレクションや、いまは乗っていないモーターボートを父親は彼に見せる。娘たちも彼のものになる。やがて息子フィリップが帰ってくる。
なんだか知っている物語を読んでいるような気がした。金持ちの倦怠感を表す背景が麻薬だったりする。U.V.とはウルトラ・ヴィオレット=紫外線。(集英社文庫 480円+税)