「マルタの鷹」(1941 ジョン・ヒューストン監督)と「三つ数えろ」(1946 ハワード・ホークス監督)が「水野晴郎のDVDで観る世界名作映画」の中にあった。両方ともずっと前にテレビの深夜映画で見たことがあるだけだったのでうれしい。この手の映画のポスターを集めた洋書を持っていて、ときどき眺めているが、好きなときに見られるDVDが手に入ってご機嫌である。
「マルタの鷹」はダシール・ハメット、「三つ数えろ」はレイモンド・チャンドラーと、ハードボイルドの古典の映画化で、私立探偵サム・スペードとフィリップ・マーロー役をしているのがハンフリー・ボガートなのである。
「マルタの鷹」はヒューストン初監督作品であり、ボガート初主演作である。傍役たちの不気味さとメリー・アスターの妖しい悪女ぶり、そして非情な探偵サム・スペード。タイトな語り口でぐんぐん進んでいくストーリーはハメットの作品そのままだ。
「三つ数えろ」はスターになってからのボガートとローレン・バコールである。二人ともスターらしい自信にあふれて主演している。原作はチャンドラーの「大いなる眠り」だが、邦題の「三つ数えろ」も悪くない題名だと思う。ハリウッド映画らしい豪華なハードボイルド作品で、ちょっと感傷的なところがあるチャンドラーをうまく映画化している。
「三つ数えろ」のほうが見ているときは楽しめたが、あとまで残るのは「マルタの鷹」である。原作と映画と同じ感想なのがおかしい。