絵本を読むのは久しぶりだ。お話(再話)がスーザン・クーパーだったので、相方が図書館から借りて来たのを先取りしてしまった。
10数年前に参加していた「ホビットの会」(イギリス児童文学研究会)で取り上げたので、当時翻訳の出ていた「闇の戦い」シリーズ1〜3「灰色の王」「みどりの妖婆」「光の六つのしるし」を読んだ。訳者の浅羽莢子さんがミステリーの翻訳もされているのが話題になり、がちがちの児童文学好きはこの翻訳はよくないと言い、わたしは読みやすくてよいと言った。
それから10年も経って、たまたまシャーロックホームズでウェールズの会とVFC例会がかちあったときに当時の会員と出会った。彼女はウェールズ語を勉強しており、きっかけはホビットの会でスーザン・クーパーを読んだからだと言った。
「妖精の騎士タム・リン」(小学館 1500円+税)は1991年に発表されたのが今年の夏に翻訳された。ちょっと地味っぽい絵本だが、好きな人が読んだらたまらない、スコットランドに古くから伝わる物語の再話である。王女マーガレットはお城のてっぺんで貴族の娘たちと一緒にじっと座ってししゅうをしている。夏の空は青く白い雲が走っている。マーガレットは外に出たくてしかたがないが、幸せにしてくれる男の人がくるまでここに座っているべきだと言われている。ある日マーガレットはスカートの裾をからげて走って森へ行く。そこで出会った青年こそ妖精の騎士にされてしまったタム・リンだった。
若い娘の自由への憧れと恋、そして障害を超えて愛を貫こうとする意志とその勝利の物語である。