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マーシャ・マラーの短編「時に忘れられた場所」

短編アンソロジー「夜明けのフロスト」を先日読んだ。7人の作品それぞれ特徴があって面白かったが、いちばん好きなのはマーシャ・マラーの女性探偵シャロン・マコーンものだった。そのあとイアン・ランキンの「獣と肉」を読み出したのだけれど、もうちょっとシャロン・マコーンにつきあいたくなった。先月からぼちぼち読み返している「シスターズ・イン・クライム(2)優しすぎる妻」の中に「時に忘れられた場所」がある。この本が出たのは1992年、まだ作家の日本語の名前はマーシャ・ミュラーになっている。その後に「マラー」に統一されたようだ。
20数年前のことだが、雑誌「アンアン」の探偵特集ページに、数人の俳優やモデルが私立探偵に扮しており、シャロンが紅一点だった。真紅のスーツで拳銃を持つシャロンの姿におどろき、あわてて手に入れたのが第1作の「人形の家」だった。そのころはミステリから離れていたのだが、そのあたりからまた復帰して読み出し、やがてヴィクに出会ったわけ。
さて、「時に忘れられた場所」の物語は、サンフランシスコの中心部なのに時間に忘れられたような小さな5&10セントストアではじまる。そこの主人からシャロンの勤務先の探偵事務所に行方不明の親戚を捜してほしいと依頼があった。シャロンが行くと孫娘を捜してほしいと言う。その店にはジュークボックスがあって、その老人が若いときに作詞作曲した歌が入っている。娘と仲違いをしてずっと会っていなかったが、心臓を悪くした今、成人した孫娘に会いたいと思うようになったと言う。シャロンは記憶力と推理力を発揮して、歌手になった孫娘を捜し出す。祖父と孫娘が音楽によって再び結びつく希望ある結末がよい。

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2005年12月28日 21:40に投稿されたエントリーのページです。

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