ボディーガード、アティカス・コディアックのシリーズ3冊目。4冊目(番外編)の「耽溺者(ジャンキー)」を読んで感想を10月30日に書いた。31日にはその主人公である魅力あふれる私立探偵ブリジット・ローガンについて書いた。
その後11月27日に「守護者(キーパー)」、29日に「奪回者」を書いて、今日の「暗殺者(キラー)」で翻訳が出ているものは最後である。10月の終わりから11月のすべてをアティカスとブリジットに入れあげていたんだな。
今回の出だしはナタリーの父親で大きな警備保障会社を経営しているトレントに仕事を頼まれる。断ったのだが守護される当人からのたっての依頼で引き受ける。ナタリーは父に反抗してアティカスと行動を共にするが、その仕事はトレントに仕組まれた危険なものだった。危ないところをナタリーが撃ち殺した男を、トレントは“ジョン・ドウ”だというが、アティカスは納得できない。トレントが警護しているのはタバコ業界を告発しようとしているピューだった。20年間タバコ製造会社DTSの研究開発部長をしていて、会議で幹部が“自分たちの製品が生命を奪っていることは知っているが、今後も公的にはこの事実を否定し続ける”という言葉を聞いた人である。彼の口を閉ざすためにDTSが雇った“ジョン・ドウ”は世界で名だたる殺し屋で、自分の囮を差し出して殺させ、ピューを消すための第一歩としたのだった。
ピューの弁護士とピューの要望でトレントの会社とアティカスは共同でピューの警護をすることになる。そして厳重な警護のうちに証言はされたのだが“ジョン・ドウ”のほうが一歩先を行っていた。アティカスは仲間のデイルたちと必死で闘う。
本書にはブリジットは登場しないのだけれど、エリカ(奪回者に出てきた美少女で、父親が死んでからアティカスは後見人となり同居している)との会話にはしょっちゅう出てくる。ブリジットを愛しながらもナタリーと関係を結んでしまったアティカスだが、ようやく本書の最後で「やあ、きみか。おれだよ」と電話するのである。これで全部読んでしまった。もう一度読もうかな。(講談社文庫 971円+税)