田辺寄席世話人会から会報「寄合酒」とともに本書が送られてきた。表紙を見てびっくり、田辺寄席の客席を舞台の後ろ横から撮った写真だ。舞台を見つめている田辺寄席常連の人たちの笑い顔が見える。「30周年記念落語会」のときと説明がある。えっ、だったらわたしも行ってたはずだけど、ちょっと横に座っていたからこの写真には入ってないんだよな。よかったと思う気持ちとがっかりした気持ちと両方(笑)。写っている人はすんごく喜んでいることだろう。
本書の「あとがき」によると、東京には鈴本演芸場や新宿末広亭など4軒の定席があるが、大阪は漫才の勢いに押されて減少し、戦災のせいもあるが戦後すぐになくなってしまったそうだ。落語家の活動はホールでの落語会、地域寄席になった。現在の上方落語家は約200人で、その活動を支えるのは個々の勉強会と地域寄席なんだって。なんと大阪府周辺府県の地域寄席は230席!
その大阪に今年の秋半世紀ぶりに天満で定席「天満天神繁昌亭」がオープンする。地域寄席とともに上方落語、そして大阪の文化を盛り上げる力になるだろう。
本書の内容は「大阪日日新聞」に連載された「まちかど寄席ファイル」に加筆しまとめたもので、大阪のあらゆる地域寄席が網羅されている貴重なものだ。
そして表紙の表と裏に使われている写真が田辺寄席であり、大阪市内の地域寄席紹介のいちばんはじめにあるのが田辺寄席である。地域寄席の最老舗で上方落語家の95%が高座にあがっているという。そんなすごい寄席のホームページをつくっているんやから、しっかりやらんとあかんな。(新風書房 1365円)