10年くらい前に「愛は血を流して横たわる」を読んで好きになって以来、またいまも読んでいるんだけど何度目になるかなぁ。先日までは「永遠の別れのために」を読んでいた。4冊手もとにあるのだが、「大聖堂は大騒ぎ」はそれほど好きではなくて、いちばん良いと思うのは「白鳥の歌」である。「消えた玩具屋」は昔読んだのだが、読んだことを覚えているだけだ。もう一度出してくれないかなぁ。その他の作品も読みたいものだ。
この4冊の主人公である素人探偵ジャーヴァス・フェンはオックスフォード大学セント・クリストファーズ・カレッジの英語英文学教授である。ひょろっとした姿とユーモアのある話しかたがいい。自己顕示欲が強いのだけれど、どっか的外れだったりする。女性に親切で女性のほうも彼に興味を持つのだが、結局その女性は他の人に惚れているのである。わたしがクリスピンを好きになったのは、その女性たちについての書き方がいいからだと思う。しっかりしていて向こう見ずでもあり賢くて新しい思想の持ち主であり、そして美人だ。
愛車リリー・クリスティン三世をはっちゃかめっちゃかとばす、おちゃめな大学教授の姿の向こうにドロシー・L・セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿の姿がちらついて見える。賢くて美しい女性たちの向こうにハリエット・ヴェーンの姿が透けて見える。