ミクシィの〈サラ・パレツキー コミュニティ〉にさっそく入ってくださったSさんが、〈ロバート・クレイス コミュニティ〉を発足された。最近のわたしは翻訳ミステリーならなんでもというのにはほど遠い。ロバート・クレイスがどんな人かわかってから参加するねと言って本屋へ行った。目についたのが「ホステージ」。表紙カバーにブルース・ウィルスの顔がある。これで大方の内容はわかったようなものだと思ったが、それはいかん、読んでみなくっちゃ。
先に解説を読んだら、この作家の最初の作品「モンキーズ・レインコート」を読んでいたのを思い出した。1987年だからずいぶん前のことだ。芭蕉の句「初時雨猿も小蓑を欲しげなり」からとったタイトルということで記憶に残っていた。私立探偵エルヴィス・コールは好感が持てたのに、あとは読んでいなかったのはなぜかしら。これからぼちぼち読んでいくことにしよう。
さて「ホステージ」だが、ロサンゼルスの3人のチンピラが食料雑貨店に強盗に入るが、韓国系の店主が拳銃を出したので、反射的に撃ち殺してしまう。目撃者がすぐに通報したので、3人は逃げ出して住宅地の豪邸に入り込み、父親と娘と息子を人質にする。当地の警察署長タリー(ブルース・ウィルスの役)は、以前ロス市警で危機交渉担当をしていた切れ者である。
ややこしいのは、その家の主はギャングの会計係で家にたくさんの現金があり、犯人たちはそのお金を持って逃げようとする。ギャングたちも経理がばれたら一大事なので、その家にある2枚のファイルを取り戻そうと必死で、タリーの妻と娘を誘拐し、ファイルと交換しようと持ちかける。
犯人3人の生い立ちや現在の状況がくわしく書かれていて納得させる。犯人やギャングたちが妻や娘や息子を暴力的に扱うけどレイプまでしないのは、さすがクレイスと思ったというのは深読みか。(講談社文庫 上下とも667円+税)