
おもしろかった。読みかけたら他のことが手につかない。ご飯を食べた後テーブルの片付けもしないで読みふけったり、2駅しか乗らない地下鉄に持って行って乗り越ししたりした。
アティカスは「暗殺者」で意気投合したナタリー、マツイ、コリーと4人でKTMH社というボディーガードの会社を発足させるが、ハリウッド女優の警護に当たったとき、荷物を持てと命令されて仕事を降りてしまう。仕事が途切れて困っているとき、イギリスのムーアから電話があり、こどもの人権を守る仕事をしている侯爵令嬢ハンターの、アメリカでのボディーガードを頼まれる。ハンターはストーカーに狙われていてブリジット・ローガンが捜査にあたる。ストーカーはハンターが出演する場所の楽屋にまで侵入しており、危うく防いでほっとする。ところがその後ビルで爆発があり、ハンターは誘拐される。必死で探すアティカスにヒントが与えられ、彼はハンターと引き換えに誘拐される。さぁ、その後は書いたらあかんやろなぁ。もうめちゃくちゃ激しい展開なのだ。こんなこと主人公にやらしてええんかって思う。アティカスはボディーガードの職人というか、困難であるほど引き受けたくなる性格だ。だから会社をつくったまではいいが、ほったらかして、生活を安定させようと思うメンバーから批判されることになる。
一方「暗殺者」のときしつこく取材にきて、協力もした女性記者クリス・ハヴァルは、ボディーガードと暗殺者の攻防を本にする。本の出版は大成功で彼女は次作のために暗殺者にインタビューしたいと言う。アティカスがやめておくように言うと、「わかっていないわね、アティカス」「ゲームの名前は“書くか死ぬか”なのよ」と答えて出て行く。
私立探偵ブリジット、記者クリス、暗殺者ドラマ、ボディーガードのナタリー、運動家ハンター、みんなものすごい魅力と生命力あふれる女性たちである。励まされるというより叱咤激励されている。(講談社文庫 上下とも695円+税)