10日ほど前なにか映画を見たいなとTSUTAYAの店内をめぐっていて見つけた。すぐに見る気にならず、1週間後の返却寸前に見ることになった。見たらやっぱりいまの気分には重すぎる映画だった。しんどかったけれども日にちが経つにつれてしみじみと考えさせられている。「エドワードII」(1991)、「ブルー」(1993)の前になる。死去したのは1994年。
本の「Derek Jarman's Garden」は大切に持っている。1987年頃、デレク・ジャーマンはイギリスのドーバー海峡沿いのダンジェネスという土地に移り住んだ。原子力発電所が近くにある荒涼としたところで、可憐な草花を育み、小さなオブジェを置き、虫と親しむ生活である。死を前にしたデレク・ジャーマンの生きることへの気持ちが伝わる本だ。庭仕事をする彼の表情がとても美しくて切ない。
その庭で1990年に撮られた映画で、ゲイのカップルが権力に虐待され、キリストと同じように十字架に晒されるさまが描かれている。デレク・ジャーマンにとっては、ゲイの青年たちはキリストと同じように殉教者なのだ。そのあいだに挟まれる映像が美しいのや滑稽なのや、さすがデレク・ジャーマンやなと思わせるが、わたしは全体の雰囲気にルイス・ブニュエルの「黄金時代」を思い出していた。チルダ・スウィントンの美しいこと!