ドロシー・L・セイヤーズを検索していて見つかったのでびっくりした。嶋中文庫という聞き慣れない文庫である。あわててアマゾンで探して注文した。表紙はセイヤーズの見慣れた顔写真を元にしたイラストだ。「伯母殺人事件」というのはリチャード・ハルの長編小説である。セイヤーズは「疑惑」「アリババの呪文」の2短編で量からいくと1/4ないくらいだ。グレート・ミステリーズというシリーズで第1期10巻発売中とある。
「疑惑」は郊外に住んでいる中年男が体調がすぐれず、調べると食べ物に砒素が入っていたのがわかる。ブラックユーモアに満ちた巧みな短編。
「アリババの呪文」はピーター卿が、猛獣狩りで不慮の死を遂げたというところからはじまる。社交界の花形で享年37歳だからまだハリエットと出会っていない。そこまで用意周到に死んだことにして捉えたい犯人がいるわけだ。聞いたようなタイトルだと気になって、読みだして気がついた。これともう一つ短編が入っている本をわたしは持っている。戦後すぐに出た本だ。もう一つはピーター卿とハリエットの間に子どもが産まれる夜の話だった。どこかにあるはずだ、探してみよう。「伯母殺人事件」はこれから読む。おもしろかったら儲けもの。(嶋中文庫 762円+税)