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パトリック・ニート「シティ・オブ・タイニー・ライツ」

シティ・オブ・タイニー・ライツ パトリック ニートパトリック・ニートってはじめての名前だけど「英国の新鋭が紡ぎあげる探偵小説のニュー・ボイス」と帯にあるし、もしかして「酔いどれに悪人なし」のケン・ブルーウンみたいだったらたいへんと思い、ハードカバーだけど買うことにした。アジア系の探偵というところにも惹かれるものがあった。
ロンドンの裏町で事務所を開いている私立探偵トミー・アクタルのところに依頼人がやってくるという古典的な出だしである。
父親ファルザドは元医師であり画家として成功しかけたこともあるが、いまは酒浸りの生活だ。インド人の母ミーナは亡くなり、性格の合わない弟が同じ建物でタクシー業を営んでいる。一家はアフリカのウガンダに住んでいたが、アミン大統領がウガンダ国籍を持たないインド系アジア住民を、国外追放したためイギリスへやってきた。
トミーはソ連侵攻後のアフガニスタンへ行き、聖戦士軍に入って戦い、ソ連軍の撤退と同じ頃にイギリスへ帰ったという経歴の持ち主である。
そいう屈折した経歴やタクシー会社の運転手や、近所の少年の一癖も二癖もある登場人物はおもしろい。依頼人の娼婦エキゾティックメロディやその連れのセクシーロシアンもおもしろいのだが、言葉だけがおもしろいように思った。
同じように酒とタバコをは離さず、狂気の沙汰をやっても、ケン・ブルーウンの描く探偵ジャック・テイラーとは違う。心底から狂ってないっていうか。ストイックなボディーガードのアティカス・コディアックシリーズのほうが新しいと思う。

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2006年03月11日 20:33に投稿されたエントリーのページです。

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