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カレン・ジョイ・ファウラー「ジェイン・オースティンの読書会」

ジェイン・オースティンの読書会 カレン・ジョイ ファウラー1カ月ほど前、堺筋本町の紀伊国屋で翻訳書のところに平積みしてあったのを見たのが最初だった。その日はわたしにしてはミステリーをたくさん買ったので、この次ということにした。ところがその後他の本屋で探したが見つからない。ネット注文したらよかろうに、なぜか本屋にこだわっていた。ようやく先週の土曜日、ジュンク堂のアメリカ文学の一番下の棚にあるのを見つけた。その日から読み出して今日で1週間。読んでよかった。
プロローグ1行目、【私たちはそれぞれ、自分だけのオースティンをもっている。】。
そして、登場人物のオースティン像が語られる。読書会を言い出したのはジョスリン。彼女は縁結びが得意で、でも自分は独身でケンネルを経営している。バーナデットは最年長の67歳、老化のきざしが見えてきたいま鏡を見ないことにすると宣言。彼女のオースティンは喜劇の天才だ。シルヴィアはジョスリンと11歳で知り合っていまは50歳をまわっている。32年連れ添った夫のダニエルに去られて苦しい時期である。シルヴィアのオースティンは娘であり、妹であり、叔母だった。
アレグラは30歳、シルヴィアの娘でレズビアンであることを公言している。アレグラのオースティンは、経済的窮状が女性の性生活にどのような影響を与えるかをテーマに小説に書いた。ブルーディーはいちばん若くて27歳、ハイスクールでフランス語を教えている。シルヴィアが離婚すると、彼女だけが既婚者である。いちばん好きなのは「説得」でオースティンが最後に書き上げた、もっとも生真面目な作品だ。
読書会に男性はいらないとみんなは言ったが、ジョスリンはグレッグを入れる。彼は濃い長い睫毛の持ち主である。だれも彼が既婚者であるかグリッグのオースティンがどんな人かを知らない。
この後が読書会の記録となる。会話の合間に、それぞれのいままでの人生が語られ、いまの生活があり、友情や恋が生まれる。思いもよらぬ組み合わせがあり、驚きの出会いもあり、再会もあり。気持ちのよい幕引きはまるでジェイン・オースティンの作品のようだ。
あとがきによると、【ファウラーはこの作品を書くにあたって、(1)オースティンを読んだことがない人、(2)昔読んだだけの人、(3)毎年読み返す人、の三種類の読者を想定し、すべてを満足させられるように工夫をこらしたという。】
わたしは「高慢と偏見」だけに限るけど(3)にあたる。まさにジェイン・オースティンを読んで幸福になっていたように、本書を読んで幸福になった。(白水社 2400円+税)

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2006年03月04日 20:43に投稿されたエントリーのページです。

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