大阪を紹介した本は書店にたくさん並んでいるが、本書はその中でも飛び抜けておしゃれな本だと思う。本書の中に紹介されている細野ビルジングのオーナー細野さんからいただいた。
細野ビルはわたしの住む所から5分でいける。数年前にビルの前を散歩していて出会った細野さんに、ビルの中を案内してもらった。それからジャズなどのイベントによく行っていたが、相方が申し出て「細野ビルヂングイベント情報サイト」を2004年秋につくった。本書もサイトに載せるためのものだが、わたしが先に読ませていただきました。
大阪の紹介というと、まずキタとミナミそして堀江みたいな平面の分け方になると思うが、本書は立体的な紹介なのに感心した。目次からいうと、(1)まちづくりを遊ぶ(空堀、平野)(2)手づくりの文化創造村(天満、鶴嘴・猪飼野、帝塚山、野田・福島)(3)古典芸能のテーマパーーク(上方落語、名作の舞台名所、扇町公園に平成中村座)(4)大阪モダニズム文化再見(北船場、西船場)(5)誘客ターミナルの挑戦(梅田、堀江)。その他、コラムと対談がある。写真もたくさんあって読みやすい。編集力が発揮されている本である。
上方落語のページでは田辺寄席が大きく取り上げられている。桂文太さんのうしろに大きな“田辺寄席”の看板があるのがうれしい。
細野ビルの紹介もくわしくて、このビルを体験している人間として、誠実な書き方だと思った。(創元社 1800円+税)