昨日買ってから帰りの電車で読みはじめ、昨夜は手が空いたら読んでいて、さっき読み終わったところだ。おもしろくてやめられないってよく書くけど、ほんとにそういう本に恵まれている。
テレビドラマ「鬼警部アイアンサイド」は訳者あとがきによると、日本では1969年から75年まで6年がかりで本国放送分の全部198話が放映された。わたしは多分はじめごろを見ている。後半は生活にテレビがなかった。レイモンド・バー扮するアイアンサイドが、車椅子に座った姿を鮮明に覚えているが、事件やストーリーは忘れてしまった。本書を読んでその雰囲気を思い出した。ドラマのノベライズではなくて、ジム・トンプスンが初期のテレビドラマの設定をもとに書いた作品で、1967年にアメリカで刊行されたという。
アイアンサイド警部はサンフランシスコ市警の敏腕刑事だったが、一発の銃弾が彼の下半身の自由を奪った。彼の手腕を高くかっている警察は顧問として彼を迎え3人の助手をつける。3人とアイアンサイドは親密な家族ような仲間だ。その1人黒人青年マークは車の運転や車椅子を押したりの世話をする万能の助手である。あとの2人は部長刑事エド・ブラウン、女性警官イヴ・フィットフィールド。
その日はアイアンサイドの誕生日で、ボスのために3人が祝ってくれる。その後にマークは夜学に出かける。近道を歩いていると白人のカップルに「黒んぼ」と呼びかけれられケンカになり、相手の男が病院へ運ばれて死亡してしまう。マークは元プロボクサーだとわかり殺人の疑いで逮捕される。そのころアイアンサイドは有力者の訪問を受けていた。いまやっている事件捜査の手を緩めるように頼まれてはねつける。
マークの無罪を証明することと、いまの事件を解決するためにアイアンサイドと2人の助手の不眠不休の活動がはじまる。
細部がさすがジム・トンプソンだと思う、ってそんなに読んでないのにファンぶって言っている。ほんまに不気味バーのシーンなんぞ他の人にはないトンプソンの世界だ。もう一度最初からゆっくりと読もう。(ハヤカワミステリ 1000円+税)