10数年前にこの映画を見たときなんでつまらなかったんだろう。バード=チャーリー・パーカーへの思い入れが、映画「バード」のリアルさに耐えられなかったのかもしれない。
仕事を終えて帰ってきた家の暗さと妻の暗さ。小さな娘を亡くした夫婦ともども相手を思いやれない辛さ。そのシーンは晩年に近いのが重層する回想シーンでわかっていく。妻のチャンは裕福な家庭に育った開けた女性だった。名をなしてきたバードのことを人に聞くと「君が惚れそうな男だ」という返事が返ってくる。言われたとおり彼の演奏を聴いて惚れ込んでしまうが、誘う彼に対してなかなか素直になれないでいる。ある日、バードが言葉通りの白馬の騎士をやってのけてベッドを共にするが、彼女は妊娠していて子どもの親は誰かわからないと言う。思わぬ発言にバードが罵声を浴びせると、彼女の返事がすごい。「男が子どもが産むようになってたら、あんたは何人も子どもがいるはずよ」だって。バードは女癖が悪かったらしいから名言だ。うん、今日はこのことを書き留めておこうと思ってね。
いま気がついたが、クリント・イーストウッドはチャンに寄り添った映画を作ったのだ。