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木村二郎さん訳 ドナルド・E・ウェストレイク「バッド・ニュース」

バッド・ニュース ドナルド・E. ウェストレイク泥棒ジョン・ドートマンダー シリーズの長編10冊目である。解説によると7作目以外は全部訳されていて、わたしは全部読んでいるから長い愛読者だ。ウェストレイクは名前を変えて違うシリーズを書いているが、リチャード・スターク名義の「悪党パーカー」はドートマンダーより好きだったし、タッカー・コウ名義で書いている私立探偵もの3册も何度も読んでいる。こう書いていると読みたい思いがつのってくるが、押し入れから探し出すのがやっかいだし、未読の本が山積みなので当分はがまんだ。
それだけでなく単発の作品で「斧」というのがある。(2001年2月28日に感想を書いています。)これにはおどろいた。
「バッド・ニュース」は序文のような最初の泥棒仕事の話があって、ドートマンダーが機知を働かせて捕まるのを免れるところがおもしろい。そして本仕事に突入する。大胆なアナスタシア作戦で、いろいろと困難と危機を乗り越えていく。こうまでやるくらいなら普通に働いたほうがどんなにラクか(笑)。あとは読んでのお楽しみ。
ドートマンダーは泥棒が本職なのだがどこか生真面目で憎めない。同居しているメイはスーパーマーケットでレジ係をしている。彼が無事で逃げおおせたということ自体が彼の昨夜の大成功で、盗品は持ち帰らず体だけ持ち帰った。だからメイは仕事を辞めない。二人の仲が自然でしっくりくるところがよい。また仲間たちもおもしろい。ケルプが明日は病院へ行かなきゃならないのは、どこか悪いのではなくて、カノジョを乗せて田舎へ行く車(特に医者の車がお気に入りで盗む)が必要なだけなのだ。スタン・マーチとマーチのママの活躍にも満足した。
訳者解説「墓穴を掘った泥棒」の最後に〈そして、一番のいい知らせは、ウェストレイクがあなたと同時代に生きていることである。〉とあった。同感です。こんなアホらしく楽しい小説を読めて幸せ。(ハヤカワ文庫 880円+税)

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2006年08月16日 21:59に投稿されたエントリーのページです。

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