ヴィクシリーズのワンシーンを描いた「Mina's Gallery "One Scene"」がおもしろい。本の中の気に入った1シーンの絵なのだが、その選択がユニークなのだ。そして、わたしの好きなシーンが多い。今日はMinaさんの絵を見て本を出し「あ、ここ、ここ」とほくそ笑んだ。
サラ・パレツキー「ガーディアン・エンジェル」の208ページ。ヴィクは2人の男につけられている。バスと高架鉄道で引き返すことも考えたが、〈ベルモント・ダイナー〉に飛び込む。ランチタイムは過ぎており店は空いている。ウェイトレスのバーバラがヴィクの好みのものがあると言うが、「今日はパス。わたしに少々興味を持ち過ぎの男性二人につきまとわれてるの。裏口から逃がしてくれない?」そのとき男が店に入ってくる。「まかしといて、ヴィク」バーバラが裏口へ出してくれ、ヘレンが男の真ん前にアイスティーのピッチャーを落とす。ヘレンが謝ってズボンを拭くと言っているうちにバーバラがヴィクを押し出す。
わたしはその後が好き。ヴィクは礼を言って「遺言状を書くとき、みんなのことは忘れないわ」と言うと、バーバラはヴィクの肩甲骨の間を強く押して「それから、おべっかはけっこうよ。遺すものなんかないことは、みんなが知ってるから」。ここはヴィクの負けである。ウェイトレスの心意気をそのままもらうべきところだった。
ヴィクシリーズを読んでいてバーバラが出てくると、いつも「テルマとルイーズ」のスーザン・サランドンを思い出す。ウェイトレスで暮らしを立てている平凡だが気の強い女。