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中村真一郎「木村蒹葭堂のサロン」まだ半ばにいたらず

木村蒹葭堂のサロン 中村 真一郎思っていたよりずっと易しい文章で内容も楽しく読めているが、とにかく分厚くてなかなかだ。第一部第一章がもう終わるというところである。全体の三分の一に辿り着いた。
全体が素晴らしい本なのだが、あっと声をあげたところを書いておく。
【この二世紀の間に、わが国の知識人の教養の水準と方角とは全く異なってしまったことは、ほとんど異民族の侵略による、伝統の入れ替えを思わせるものがある。(中略)しかし二十世紀の日本の知識人は、中国古典学の教養を共通の精神的結び付きとしていた十八世紀人に対して、彼らの全く知らなかったシェクスピアやカント、トルストイやボードレールを、その連係の地盤に求めているのである。】
わたしだって幼いときから西洋の本を翻訳したものを読んで育った。いままで全く疑問を持たなかったし、いまだって翻訳ミステリーがわたしの規範になっている。そして翻訳物よりも未知な世界のものとして、池波正太郎の「剣客商売」や辻原登の「花はさくら木」を読んでいる。
そもそも本書を読もうと思ったのも、いつも大阪市立中央図書館前にある木村蒹葭堂の碑を眺めているせいと、「花はさくら木」に登場する蒹葭堂と周りの人たち及び田沼意次について知りたくなったからである。田沼意次はまた「剣客商売」に登場していて、先入観を変えてくれていたので興味がわいていた。
不純な動機からはじまった読書だが、江戸という時代がどんなだったかを驚嘆しつつ読んでいる。忠臣蔵と捕物帳くらいしか知らんかったんやから(笑)。その時代の、大坂、堀江・新町の姿が見えてきて、日常的に歩いている街とだぶってくる。とても幸せな読書をしている。

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2007年01月03日 00:59に投稿されたエントリーのページです。

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