最近ほんとに出不精になって、堀江からアメリカ村散歩くらいしか出歩いてない。それも整骨院の帰りである。そんなもんで本屋にも行っていなかった。在庫本を読むのと、図書館で借りた「木村蒹葭堂のサロン」をまだ読書中である。
今日はヴィク・ファン・クラブの例会があるので梅田へ久しぶりに出た。まずはジュンク堂へ寄って本のチェック。足が疲れるまで2・3階の本の背中を見て歩いた。でもどうしても欲しい本というのはなくて、買ったのは先日新聞広告で見て気になっていた、岩波文庫の木下杢太郎「百花譜百選」1冊だ。
シャーロック・ホームズへ行ってギネスを手にゆっくり眺めた。ぱっと見たら植物図鑑なのだが、客観的でありながら主観的な花の絵なのである。ページを開くと右側が絵で、左側は描いた日付と花の名前と絵の横に書かれたコメントになっている。昭和18年3月10日から敗戦間近な昭和21年7月27日までの絵である。そしてその年の10月15日に60歳で亡くなられた(1885〜1945年)。解説に戦時下だんだん食べるものがなくなり、雑草をいろいろと食してみたとある。そういう時代の絵だけど、ただ絵を見ているとそんなことは感じない。ものすごく緻密な精神力を感じる。そしてどれもこれも素敵な花の絵にとがった神経が慰められる。
わたしは詩人の木下杢太郎という名前を知っていただけだったが、高名な医学者であり教育者であり、詩や小説や評論を書き、そして絵を描いた人だった。
本の広告を見ただけでこれはお気に入りの本になると思った。これからずーっと愛読書になるだろう。(岩波文庫 1500円+税)