昨日「生きる歓び」のことを書いていたら、ルネ・クレマンの映画をたくさん見ているのに気がついた。思い出して整理しよう。
「海の牙」(1946)はどこで見たのだろう。潜水艦内の緊張感がすごかった。ちょっとだけ出てくる女優がよかったのだが、名前を忘れている。
「鉄路の闘い」(1945)は大阪駅構内のステーションシネマで見た。石原裕次郎の「錆びたナイフ」と2本立てだった。鉄道労働者のレジスタンス映画は若いわたしを刺激した。捕まって処刑されるとき、すぐ側の壁にとまった虫を見つめるシーンがあった。そして銃声が轟いた。
「ガラスの城」(1950)は人気俳優2人(ジャン・マレーとミシェル・モルガン)の恋愛映画。ガラスでできた城のような危うい恋の感情が描かれて好きだった。ガラスの城の置物を前にした2人の表情を覚えている。恋に憧れていた。
「鉄格子の彼方」(1950)「禁じられた遊び」(1951)は評判になった。「禁じられた遊び」の主題歌は好き。
「居酒屋」(1956)はエミール・ゾラ原作で、マリア・シェルが貧しい女を演じて好評だったが、あまりにも巧過ぎると思った。「太陽がいっぱい」と「生きる歓び」が1960年。オールスターキャストの「パリは燃えているか」は1966年。
それからわたしの愛してやまない「狼は天使の匂い 」である。ロバート・ライアンとジャン=ルイ・トランティニアンの男の友情がすてき。最初からいいんだけど、特に最後のシーンが素晴らしい。
そして最後に「危険なめぐりあい」(1975)である。評判はよくなかったように思うが、わたしは大好きだ。マリア・シュナイダーがベビーシッターのアルバイトをしている学生役で、とてもよかった。彼女の映画では「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972)「さすらいの二人」(1974)の2本がものすごく良かった。年を取ってからの「ジェイン・エア」(1996)ではロチェスターさんの狂った奥さんをやっていたが、狂った中に美しさがあってよかった。
ルネ・クレマンは1996年に亡くなった。「危険なめぐりあい」を最後に、20年も映画製作から離れてなにをなさってたのかな。わたしもそのころはヌーベルバーグに夢中になっていたっけ。