リチャード・S・プラザーが2月14日に85歳で亡くなった。亡くなって名前を思い出したくらいだから、愛読者だったわけではない。50〜60年代に活躍した作家で、弟からまわってきた「マンハント」で読んだ覚えがある。ハメットやチャンドラーの後の軽く読めるハードボイルド小説だった。
そのまま忘れていたが、1980年代に「おあついフィルム」(中央公論社)が出た。いまでも田中小実昌訳の新聞広告を思い出す。なんであんなにうれしかったのかなぁ。当時「殺し屋はサルトルが好き」なんかを読んで、正統派でないのが粋と思っていたのかな(笑)。いまの時代ばりばりの作品はもちろん生きる糧だけど、遊び心だってあっていいよね。
それから長期間のお休みのあと、2年ほど前に「ハリウッドで二度吊せ」(論創海外ミステリ)が出た。ネットに関わり出してから読書時間が減り、新しい本を追いかけるのがやっとなので、なかなか読めなかったが、亡くなられたと聞いてようやく読んだ。時間に追われているせいか、昔みたいには楽しめなかったが。
シェル・スコットは身長185センチ、体重94キロ、白髪にも見えるプラチナ・ブロンドの私立探偵でロサンゼルスのダウンタウンにオフィスを持っている。
電話依頼の相手の打ち合わせた場所へ行くと受付が千ドルの小切手を渡して、依頼人は出かけていったと言う。そこへ行くと死体があり依頼人が側にいる。その男の犯行ではないのを確信して真犯人を探すことになる。ハリウッドの撮影現場では演技を終えた女優が撃たれて死ぬ。ギャングや殺し屋がいっぱい出てきてハラハラする場面が多い。そしてどうその銃弾から逃れて真犯人に迫るかかを追って読み進む。いまのロスの探偵たちと比べると、ほんま古き良き時代です。