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アントニイ・バークリー「ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎」

ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎 アントニイ バークリーアントニイ・バークリーの作品で、ロジャー・シェリンガムの出てくる作品は「レイトン・コートの謎」「第二の銃声」「地下室の殺人」「ジャンピング・ジェニイ」とけっこう読んでいる。なぜか本格物が読みたくなり国書刊行会の探偵小説全集を書店から届けてもらったことがあるからだ。で、シェリンガムはもう、ちょっとええわって感じだった。
だから、本書が出版された2003年から疑問に思っていたことがあったのだが、宙ぶらりんのままにおいてあった。今回、図書館で本書を見つけたので疑問を解決すべく読んでみた。
その疑問というのは、ドロシー・L・セイヤーズの探偵ピーター卿が恋した人の名前がハリエット・ヴェインということ。バークリーとセイヤーズは同時代なので、自身の本のタイトルにヴェインをもってくるなんて(しかも殺され役)、きっとなにかがあるに違いないとわたしは睨んだ(たいそうな)。

シェリンガムは従兄弟のアントニイと休暇を過ごすことにしていたが、新聞社から記事を頼まれ、アントニイを説得して事件の起こった村へ出かける。そこにはすでにスコットランドヤードからモーズビー警部が来ている。
ヴェイン夫人は海を見下ろす断崖から転落死したのだが、事故や自殺でなく殺人の疑いで調べているところだった。そこへやってきたシェリンガムはアントニイを助手に、自分なりの捜査をして推理していく。ヴェイン夫人の財産相続人のマーガレットに心を奪われたアントニイは、捜査を口実にマーガレットと逢瀬を重ねる。マーガレットも積極的だ。
村のパブしか泊まるところがないのだが、すでに警部が泊まっている1室を除く4室を借り切って、他の記者等が泊まれないようにしたり、お酒をどんどん警部に振る舞ったりとシェリンガムは務める。

結局、ヴェインは同情されない人という以外に、わたしの疑問は解決しなかったが、真田啓介氏の解説でヒントがひとつ得られた。【セイヤーズは「死体をどうぞ」の中でハリエット・ヴェインに次のように語らせて、そのマンネリズムを揶揄した。——「たとえばロジャー・シェリンガム方式があるでしょ。後略】ふん、なにか匂うぞ(笑)。また宿題にしておこう。

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2007年03月19日 23:38に投稿されたエントリーのページです。

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